『アパレる』283話：半歩前進

今回のエピソードでは、 「チームの中で働く以上、どうしても合う人・合わない人が生まれてしまう」 そういった、現実の職場では誰もが直面しうる課題をテーマに描きました。

ウジタさんが直面したのは、「価値観やコミュニケーションのリズムが自分とは異なる後輩」と、どのように向き合うかという葛藤です。 その中で彼女が最終的に選んだのは、迎合や妥協ではなく、 相手とうまく「折り合いをつける」という選択でした。

本来、働く上で全員と良好な関係を築くに越したことはありません。
しかし現実の職場では、それが常に可能とは限らないのもまた事実です。

仕事において、完璧な理解や共感に至らなかったとしても、
相手との関係を断絶するのではなく、折り合いをつけながら向き合い続ける姿勢こそが、
組織の中で働くうえでの「現実的な成熟」なのではないかと考えています。

一方でキノミさん自身も、スージーとの1on1を経て、 何かが劇的に変わったわけではありません。 ただスージーの言葉を受け、 「受け取ろうとする姿勢」に、ほんのわずかな変化が生まれました。

その変化は、互いがすぐに気づくほど大きなものではないかもしれません。
しかし人間関係とは、こうした小さな変化の積み重ねによって、
少しずつ、けれど確実に形を変えていくものだと感じています。

ウジタさんとキノミさんの関係性は、いまなお構築の途中。
今後も摩擦や小さな衝突は避けられないかもしれません。
それでも、なんとか工夫をこらし、折り合いをつけていく─────
そういった過程こそが、ふたりにとっての成長につながっていくのではないか、と信じております。

次回に続きます！

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2025.04.11